燃料費増税に対する反政府デモへのマクロン大統領演説まとめ

フランス時事

 

 
フランス大統領であるマクロン氏が、燃料費増税に対する反政府デモに関する返答として12月10日の夜に演説をしました。その内容を簡単に纏めてみました。

 

 

大まかに3つの労働者からの要求に対して譲歩した形となりました。フランスでは、税金が高いことから富裕層が海外に行くということが多くなっており、国としても収入が少なくなっている中で大変厳しい状況に陥っていると思います。

 

 

1 来年1月より最低賃金を月額100ユーロ引き上げ
2 残業代とボーナスについて非課税
3 社会保障税について月額の年金が2000ユーロ未満の退職者は増税免除

 

 

13分に渡るマクロン氏の演説の中ので上記の譲歩案を発表しました。

 

 

「今回の事態を招いたのには私にも責任がある。皆さんのことを最優先にしてこなかったという印象を与えてきたかもしれない。今、フランスは経済的にも社会的にも緊急事態にあり、よりよい暮らしができるフランスを作らなければならない」と述べました。
(NHK NEWS WEB参照)

 

 

12月のクリスマス商戦の中でのデモによって休業を余儀なくされる会社や被害を受けた方やものもあり、フランス経済にとっても大きな影響を受けたと容易に推測できます。

 

 

世界的に「貧富の格差」について大きく取り上げられるようになり、日本では起こらないこのようなデモですが、フランスではワザと皆んなが困るようなことをして社会の機能を麻痺させ政府に訴えかけます。暴力的ですが、最終的には政府の妥協を勝ち得たように伺えます。

 

 

聞いた話ですが、イタリアでバスの運転手がお客さんから賃金を取らずに営業を行うデモがあったと聞きました。この場合だと、国民は今まで通りバスは使えるけれど、バス会社は赤字になるので労働者への待遇を改善したという事例があるようです。

 

 

暴力的にデモをする以外にもより良い方法で政府に訴える方法はないものでしょうか。